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2025.05.08

「運用できるWebサイト」が、いつも正解とは限らない。

「CMSで更新しやすくしてほしい」──よくいただくご要望のひとつです。
ですが、実際には「更新できるけど、していない」サイトも数多く存在します。
本当に、“運用できるWebサイト”はすべての人に必要なのでしょうか?

「運用できるWebサイト」が、いつも正解とは限らない。

CMSを入れれば「運用できる」は本当か?

確かに、WordPressのようなCMSを使えば、専門知識がなくてもページや記事の更新が可能になります。

ですが、ここで見落とされがちなのは、**CMS自体が動的なシステムであり、保守やセキュリティ管理が必要不可欠だということ**です。

CMSを入れることで“失われる”こともある

CMSを導入すると、機能性と引き換えに下記のようなデメリットが発生することもあります:

  • ページスピードが落ち、検索エンジン評価が低下する
  • 管理画面が煩雑になり、ユーザーが使いづらくなる
  • プラグインの更新や放置によりセキュリティリスクが高まる

**「更新しやすくしたい」が「更新されないまま放置されたCMS」になってしまえば、むしろ逆効果**になることすらあります。

“運用できる”とは、何を意味するのか?

重要なのは、“運用する”ことではなく、“成果に繋がる運用ができる”ことです。

Nido.では、以下の状態が「本当に運用できるWebサイト」だと考えています:

  • 更新の目的が明確に定まっている
  •  誰が・どのような頻度で更新するか決まっている
  • 操作が直感的で、必要な情報にすぐアクセスできる
  •  更新内容が、検索流入や問い合わせなどの成果に結びつく

このように、**CMSの導入は“手段”であって“目的”ではない**という視点が欠かせません。

更新しないなら、静的サイトの方が強いことも

実は、“更新しない”という前提であれば、CMSを使わずに静的なHTMLでサイトを構築する方が、セキュリティ的にも表示速度的にも圧倒的に優れています。

「更新する予定はあまりないけど、とりあえずCMSで」と考えるくらいなら、静的ページで設計しておく方が、効果が出やすいケースも多いのです。

Nido.の考える“運用できる”の設計

Nido.では、CMSの導入も含めて「その会社にとっての最適な運用設計」を考えることを大切にしています。

  • 本当に更新したいのか?
  • 誰がどこまでやるのか?
  • 成果につながる導線があるのか?

おわりに

CMS導入=運用しやすい、という図式は一見正しそうに見えて、実は落とし穴もあります。

サイトは“作って終わり”ではなく、“育てる”ことも大切です。

でもそれは、育てられる環境と仕組みが整っていてこそ。
更新しやすさも含めた、ビジネス全体の流れに沿った設計を──
それが、Nido.の考える「運用できるWebサイト」です。

Nido.

この記事を書いた人|Nido.(ニド)

石川県を拠点に、富山県在住のWeb制作者。東京でも中堅どころの制作会社にて部長・執行役員を歴任後、独立。小規模事業者向けサブスク制作サービス「Nido.Growth」を運営。制作の現場から経営までの実務経験をもとに、Webの設計思想や考え方をお届けしています。