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2025.06.05

ノーコードで十分?──“ちゃんと作る”ことの意味を考える

ノーコードは便利。でも、どんな制作方法にも「向き・不向き」がある。安さや手軽さの裏側にある、制作の選択肢の意味を見つめ直します。

ノーコードで十分?──“ちゃんと作る”ことの意味を考える

ノーコードで十分?──“ちゃんと作る”ことの意味を考える

最近、「ノーコードでサイトを作れますか?」という相談をいただくことが増えてきました。

ノーコード──つまり「コードを書かずに」サイトを作れる仕組みは、昔からあります。
Wixやジンドゥー、WordPressのSnow Monkeyなども、ある意味では“ノーコードに近い”存在です。

そして今、Studioのようなサービスの登場によって、見た目の自由度もかなり高くなり、個人でもかっこいいサイトを作れるようになりました。

一見、ユーザー自身が編集もできて、「ノーコード最高じゃん!」と思う方もいるかもしれません。

でも、ちょっと立ち止まって、今の制作の選び方を見つめ直してみませんか?

ノーコードのメリット

  • 構築の手間が減る(=コーディング不要)
  • スピード重視で公開できる
  • 専門知識がなくても運用できる

など、たしかにメリットはあります。

制作会社にとっても、ノーコードの選択肢は「工数を減らせる」という意味で大きな利点です。

フロント(見た目)だけを見れば、もはや通常のコーディングと大差ないように見えるケースもあります。

でも、“裏側”はどうでしょう?

実際に、ノーコードを活用している制作会社の実績ページをPageSpeed Insightsで調べてみると、
Core Web Vitals(コアウェブバイタル)に合格していないサイトが多いという結果が出ています。

つまり、見た目は良くても、裏側の構造や表示速度の最適化がされていないケースが多い、ということ。

これは、検索で見つけてもらうための「テクニカルSEO」の観点で、不利になる可能性があることを意味します。

コスト面でも、ちゃんと比較を

もうひとつ見落としがちなのが、ランニングコストの違いです。

たとえば、

  • 通常のサーバー+ドメイン契約は、年間5,000~6,000円程度
  • Studioなどのノーコードサービスでは、月額2,000円以上+制限ありのケースも

たしかに「早く・簡単に作れる」一方で、毎年支払う金額が大きくなることもあります。

ユーザーにとっての“工数削減”とは?

個人や社内で作業を完結できるのはノーコードの大きなメリットです。
でも、制作会社に依頼する場合はどうでしょう?

見積を取って比較し、

  • 通常制作よりノーコードの方が明確に安く
  • 機能面も問題ないと納得できる

のであれば、それもひとつの選択肢です。

ですが、料金が同じなら「ちゃんと作ってもらえる方」が良いのでは?
少なくともNido.はそう考えています。

Nido.が大切にしていること

私たちは、ノーコードが悪いとは思っていません。

でも、「作ったのに誰にも見られない」「検索でまったく出てこない」──
そんなサイトになってしまったら、本当にもったいない。

Nido.では、できるだけ効果が出るように・長く使えるように。
手間はかかっても、丁寧に作ることを大切にしています。

これからについて

最近では、Figmaからコードを生成するような新しい機能も出てきています。
これらをうまく使えば、将来的には工数削減と品質保持の両立ができるかもしれません。

Nido.では、1ページ○円ではなく、
人日単位の明瞭な料金設計にしています。

だからこそ、工数削減によって「ユーザーにとっての負担も減らせる」──そんな未来に向けて模索を続けています。

終わりに

「安く・早く・見た目よく」──その3つをすべて叶えることは、たしかに理想です。

でも、本当に価値あるサイトとは、「ちゃんと伝わること」。
そして、「誰かに届くこと」だと思っています。

制作方法に正解・不正解はありません。
だからこそ、「どんな作り方を、どう選ぶか」は、一緒に考えていきたいテーマなのです。

Nido.ではできる限りローコストで、ユーザーの想いを届けるサイトを作りたいという思いから定額制のホームページ制作サービス「Nido.Growth(ニド・グロース)」を運営しています。

これからWebサイトを作りたい方、リニューアルを検討している方、
あるいは少しでも「どうしようかな」と感じている方、どうぞお気軽にご相談ください。

Nido.

この記事を書いた人|Nido.(ニド)

石川県を拠点に、富山県在住のWeb制作者。東京でも中堅どころの制作会社にて部長・執行役員を歴任後、独立。小規模事業者向けサブスク制作サービス「Nido.Growth」を運営。制作の現場から経営までの実務経験をもとに、Webの設計思想や考え方をお届けしています。