──デザイナーの都合ではなく、“伝える”ための準備
Webサイトを作る上で「デザイン性」は大切です。
でも、私がNido.で大事にしているのは、それ以上に「作りやすいデザインかどうか」という視点です。
なぜなら、“作りやすさ”は“伝わりやすさ”と“育てやすさ”に直結するからです。
そしてそれは、依頼してくださるクライアント側の準備にも関係してきます。
ここで言う“作りやすさ”とは、見た目の派手さではなく、構造として破綻していないデザインです。
HTMLやCSSに無理なく落とし込める設計であれば、開発時のミスや迷いも減り、
結果として“崩れにくく、伝えやすく、改善しやすい”サイトになります。
つまり、「きちんと設計された、作りやすいデザイン」はクライアントにとっても大きなメリットなのです。
ここで大事なのが、依頼時に「全部わからないけどお任せ」にならないことです。
もちろん、専門知識が必要という意味ではありません。
でも、
こうした“考えの土台”があると、私たち制作側は、それを形にするための設計をちゃんと考えられるんです。
実際にいただくご相談でも、
といったお話は少なくありません。
それでも全然構いません。むしろ、“何もない状態”よりもずっと助かるんです。
たとえば:
のようなまとめサイトや事例ギャラリーから、
「イメージに近いサイト」「このセクションの言い方がうちに合っている」といったピックアップをしておいてもらえるだけで、制作は格段にスムーズになります。
それを元に「なぜこの雰囲気が良いと思ったのか?」まで一緒に考えることで、
“依頼側も自分の想いを再確認できる”というメリットもあります。
私は、いただいた要望をそのまま形にするだけでなく、
「なぜそうしたいのか?」「誰に届けたいのか?」を一緒に整理するようにしています。
たとえば:
このような「裏にある目的」を踏まえた設計こそが、“作りやすくて成果が出やすいデザイン”になると考えています。
Web制作に「正解」はありません。
でも、“誰に、何を、どう伝えるか”という本質がブレなければ、それはかならず見る人の心に届くサイトになります。
デザインの仕事は、単なる見た目の装飾ではなく、クライアントの想いを“伝えるための構造”を設計すること。
そのために、少しだけ「伝える準備」をしてみてください。
言葉にしづらくても、考えておくだけで、きっと伝わりやすくなります。
石川県を拠点に、富山県在住のWeb制作者。東京でも中堅どころの制作会社にて部長・執行役員を歴任後、独立。小規模事業者向けサブスク制作サービス「Nido.Growth」を運営。制作の現場から経営までの実務経験をもとに、Webの設計思想や考え方をお届けしています。