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2025.05.07

作りやすいデザイン=成果の出やすいデザイン

──デザイナーの都合ではなく、“伝える”ための準備

──デザイナーの都合ではなく、“伝える”ための準備

はじめに

Webサイトを作る上で「デザイン性」は大切です。
でも、私がNido.で大事にしているのは、それ以上に「作りやすいデザインかどうか」という視点です。

なぜなら、“作りやすさ”は“伝わりやすさ”と“育てやすさ”に直結するからです。
そしてそれは、依頼してくださるクライアント側の準備にも関係してきます。

「作りやすい」=「伝わりやすい」サイトになる理由

ここで言う“作りやすさ”とは、見た目の派手さではなく、構造として破綻していないデザインです。

HTMLやCSSに無理なく落とし込める設計であれば、開発時のミスや迷いも減り、
結果として“崩れにくく、伝えやすく、改善しやすい”サイトになります。

  • 情報の整理がしやすくなる
  • スマホでも見やすくなる
  • 修正や拡張に強くなる
  • 制作コストが抑えられる場合もある

つまり、「きちんと設計された、作りやすいデザイン」はクライアントにとっても大きなメリットなのです。

クライアントが“伝える”準備をする意味

ここで大事なのが、依頼時に「全部わからないけどお任せ」にならないことです。
もちろん、専門知識が必要という意味ではありません。

でも、

  • どんな人に届けたいのか?
  • 何に悩んでいて、何を解決したいのか?
  • 見た目よりも大事にしたいものはあるか?
  • 競合と何が違うのか?

こうした“考えの土台”があると、私たち制作側は、それを形にするための設計をちゃんと考えられるんです。

「うまく説明できなくてもいい」──でも考えておいてほしいこと

実際にいただくご相談でも、

  • 「言語化はできないけど、なんとなくこんな雰囲気がいい」
  • 「こういうページの感じが好きです」

といったお話は少なくありません。
それでも全然構いません。むしろ、“何もない状態”よりもずっと助かるんです。

たとえば:

のようなまとめサイトや事例ギャラリーから、

「イメージに近いサイト」「このセクションの言い方がうちに合っている」といったピックアップをしておいてもらえるだけで、制作は格段にスムーズになります。

それを元に「なぜこの雰囲気が良いと思ったのか?」まで一緒に考えることで、
“依頼側も自分の想いを再確認できる”というメリットもあります。

Nido.が心がけていること

私は、いただいた要望をそのまま形にするだけでなく、
「なぜそうしたいのか?」「誰に届けたいのか?」を一緒に整理するようにしています。

たとえば:

  • 本当は採用が目的なのに、会社紹介ばかりの構成になっていないか?
  • 強みを伝えるはずが、同業と見分けがつかなくなっていないか?
  • 更新する予定のないページを無理に作っていないか?

このような「裏にある目的」を踏まえた設計こそが、“作りやすくて成果が出やすいデザイン”になると考えています。

おわりに

Web制作に「正解」はありません。
でも、“誰に、何を、どう伝えるか”という本質がブレなければ、それはかならず見る人の心に届くサイトになります。

デザインの仕事は、単なる見た目の装飾ではなく、クライアントの想いを“伝えるための構造”を設計すること。

そのために、少しだけ「伝える準備」をしてみてください。
言葉にしづらくても、考えておくだけで、きっと伝わりやすくなります。

Nido.

この記事を書いた人|Nido.(ニド)

石川県を拠点に、富山県在住のWeb制作者。東京でも中堅どころの制作会社にて部長・執行役員を歴任後、独立。小規模事業者向けサブスク制作サービス「Nido.Growth」を運営。制作の現場から経営までの実務経験をもとに、Webの設計思想や考え方をお届けしています。